herstory  

〜 夢 〜



  夢と目標の違いは、「いつまでにという期限があるかどうか」だそうだ。

  夢に期限がついたときからそれは目標に変わる。

  「夢は必ずかなう。それを追い求める勇気さえあれば」
  彼女はウォルト・ディズニーのこの言葉が大好きだった。

  少女の夢は限りがなかった。
  小さな夢から大きな夢まで、たくさんの夢を持っていた。
  その中でも一番大きく明確だった「音楽の道に進む」という夢。
  この夢を追い求める勇気を持ち続けられなかった時、
  彼女は自分が淋しい大人になってしまったことを感じた。
 
  それからの彼女は仕事にどっぷり身を染めた。
  人から趣味を聞かれたとき,、何も答えられないくらい仕事のみの生活になった。
  彼女の生活から私事はほとんどなくなった。
  仕事に打ち込むことによって音楽から逃げたことから目をそむけようとしていた。
  彼女は仕事の目標に貪欲に突き進んでいった。

  あるとき1年後の自分、5年後の自分、10年後の自分について考える機会があった。
  そのときに自分が指揮をしている姿があっさりと浮かんできた。
  あまりに自然に浮かんできたので、
  彼女はその夢が将来本当にかなえられる気がした。

  その時から彼女は仕事以外に積極的に趣味をもつようになった。
  ビジネス書以外の本を読み、音楽を聴き、映画を見、リズムに合わせて体を動かす。
  感受性を豊かにすることは音楽をする上で大事な要素となる。
  「いつか…」
  彼女の中に再び夢が膨らみ始めた。
  そしていつかきっと夢が目標になる日が訪れるだろう。



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